原文: https://docs.euler.finance/getting-started/white-paper

ここではEulerがどのように機能し、他のレンディングプロトコルと異なるかを理解します。

著者

Michael Bentley & Doug Hoyte https://www.euler.finance

要旨

カスタムビルド、パーミッションレスであるレンディングプロトコルEulerを紹介します。これまで以上に、ユーザーはEthereum上のトークンを貸付/借入できます。このホワイトペーパーの目的は、Eulerがどのように機能するか、高いレベルで動作すること、Compound、Aaveのような一般的なレンディングプロトコルとは一線を画す新機能やイノベーションを強調し、説明することです。

序論

効率的に資産を貸出、借入できるのはどの金融システムでも重要です。既存金融の枠組みでは、通常、このプロセスは余剰資金を持つ人、短期的に資金を必要とする人とを繋げる銀行のようなサードパーティの信頼、許可によって進められます。 分散型金融(以下DeFi)の世界では、信頼、許可された第三者が不要になります。銀行はブロックチェーン上で実行されるトラストレス、パーミッションレスのレンディングプロトコルに置き換えられました。(1)

DeFiのレンディングプロトコル第1世代には、Compound(2)やAave(3)があります。これらのプロトコルによって、ユーザーは最も流動性の高いERC20トークンの貸借にアクセスできます。しかし、これらのプロトコルは、流動性の不足、ボラリティティの高い資産のリスクを扱うように設計されていません。したがって、ユーザーをそのようなリスク資産から保護するために許可リスト制に依存してきした。

その結果、クリプト資産のロングテールで貸借するための、大きな需要は満たされていません。 貸出ユーザーは、利回りを得るためにトークンを入金したり、ロングポジションのレバレッジを掛けたいのです。借入ユーザーは、ボラリティティ、エクスポージャーを減らし、ショートポジションのレバレッジを掛けたいのです。ここでEulerを紹介します。Eulerは、ユーザーがこれまで以上に、多様なトークンを貸借できるような様々な新機能を搭載、カスタムビルド、パーミッションレスのレンディングプロトコルです。

まずはじめに

インターネットに接続できる人なら誰でも、オープンにアクセスできるEthereumブロックチェーン上でデプロイされた一連のスマートコントラクトでEulerは構成されています。EulerはEulerガバナンストークン(EUL)と呼ばれるネイティブなガバナンストークンを保有者に管理されます。Eulerはカストディーでは全くないため、ユーザーは自身の資産を管理する責任を負います。プロトコルの作成者であるEulerの開発チームは、https://app.euler.finance でホストされるEulerスマートコントラクトの便利で、ユーザーフレンドリーなフロントエンドを作成しました。しかし、ユーザーはどのような形式でも自由にプロトコルにアクセスできます。Eulerはアクセスの分散、耐検閲性を高めるために、開発者が独自のフロントエンドアクセスポイントを作成することを推奨してます。

パーミッションレスリスティング

Eulerでは、ユーザーがどの資産をリストするかを決定します。この機能を実現するために、Eulerはコア依存性としてUniswap v3を利用します。(4) Uniswap v3のWETHペアを持つ全てのアセットは、誰でもすぐにEulerでレンディング市場として追加できます。(5)

資産階層

あるプールから別のプールに次々と流出するリスクがあるために、パーミッションレスリスティングでは、DEXのような他のDeFiプロトコルよりもずっとリスクがあります。例えば、担保資産が突然下落し、その他の精算で十分に債務を返済できない場合、複数の異なる種類の資産プールに不良債権が残る可能性があります。 この課題に対処するために、Eulerはリスクベースの資産階層を使用して、プロトコルとユーザーを保護します。

分離階層(Isolation-tier)資産は、通常の貸借に利用できますが、他の資産を借りるための担保として使用できません。isolationでのみ借入できます。つまり、同じ担保プールを使って、他の資産と一緒に借り入れできません。 例えば、USDCとDAIを担保に、isolation-tier資産であるABCを借入たい場合、ABCしか借りられません。その後、他のトークンXYZを借入たい場合、Eulerの別のアカウントを使わなければなりません。

クロス階層(Cross-tier)資産は、通常の貸借に利用できます。他の資産を借りるための担保にはできませんが、他の資産と並んで借入できます。 例えば、USDCとDAIを担保に、クロス階層資産であるABCとXYZを借入れたい場合、Eulerの1つのアカウントから借入できます。

担保階層(Collateral-tier) 資産は通常の貸出、借入、クロス階層資産の借入に利用でき、担保としても利用できます。例えば、DAIとUSDCを担保に入金し、1つのアカウントからUNIとLINKを担保資産として借り入れできます。